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地下鉄を出て地上に上がると
氷のように冷たい突風に
足下をふらつかせながら
私は夕方の道を自宅に向かって歩いていた。

その日は全国的に大寒波が来ていて
大阪にも雪が降り、
枯れた芝生をうっすらと
白くしていた。

丁度、去年の今頃
大雪が降っているのに
自転車で爆走し、
地面をスリップした時にぶつかった
あの人はどうしてるかしら。
寒い日になると、ふと思い出す。

「この、スットコドッコイ!」
怒鳴られたのに、なぜか顔がほころぶ。
「なんだよ、スットコドッコイって…」
ぼんやりしながら
信号が青に変わるのを待っていた時
横断歩道の向こう側から
こちらをじっと見ている男がいる事に気付いた。

お互いに、じっとにらみ合う。
パッと信号が青に変わった瞬間、
何かのスイッチが入ったかのように
2人がお互いを指差して
「あーっ!あの時の!」
横断歩道の真ん中で声を上げた。

「アンタ、スットコ…じゃなくて
自転車のお嬢さんだったか」
「え、ええ。スットコドッコイです。
どうも、お久しぶりです」
「そういや、あの時…」
「え?」
私が聞き返した時
横から来た車にクラクションを鳴らされた。
すでに信号は赤に変わっていた。

彼は自分が来た道、私が行こうとしていた方向に
横断歩道を渡ってもどると、私に向き直った。
「今日は自転車じゃないんだな」
「ええ、今朝、雪が降りそうだったので…。
さすがに学習しましたから。
雪の日は自転車に乗らないって。
それより、さっき何か言いかけてませんでした?」
「あ?ああ。アンタ、自転車で
俺にぶつかった時、財布落としたろう?」
「あっ!そう、そうでした!!」

会社に遅刻しそうだった私は
この男にぶつかった後、
完全にパニックになっていて
財布を落とした事にも気付かず
大急ぎでその場を去り、
お昼時に財布が無い事に気付いて
真っ青になった事を思い出した。

「交番に行ったら、届け出があって
事なきを得たんですが、もしかして…あなたが?」
「ああ、そうさ。
呼び止めようとしたのに
もの凄い勢いで走ってったからさ」
「わー、ほんとにすいませんでした!
って言うか、ありがとうございました!
届け出てくれた人にお礼が言いたかったんです。
あの時、給料日前で、あれが全財産だったもので…」
深々と頭を下げる私を見て
男はクスリと笑った。

「重てぇ財布だった」
「え?」
「女の子の財布って、もっとこう
フワフワしてるもんじゃねぇの?」
「あ、小銭で財布パンパンで…」

私の財布は、ヨレヨレの黒皮の長財布だった。
中にはカードやら領収書やら、色んなものが
ギッシリ詰まっている。
なんだか恥ずかしくなって、私は地面に視線を落とした。
確かに、ちょっとはキラッとした感じの
可愛い財布でも持っておけば良かった。

「ま、アンタらしくて良いんじゃないの?」
私の目の前にいる男は、また
突風で乱れた私の前髪を払った。
その瞬間、グラッと私の中の何かが揺れた。
鼓動が早まり、口の中がカラカラになる。
カッと熱くなった顔と、
目にかかった前髪と、
あと何か得体の知れないものを
振り払うように頭を振った。

---------------------

長ーーーーーい!!!
妄想、長ーーーい!!!
でも、まぁ楽しいから良っか。
またいつか思い出しては、
続きを妄想するんだろうと思いますけど
その時は「またか」と
薄目で見てくれても構わないんだぜ。


…つづく。
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